取引

マーケットメイカー(MM)

別名: マーケットメーカー · MM · market maker

定義

マーケットメイカーとは、買い注文と売り注文の両方を板に出し続けて、他の参加者がいつでも売買できる状態を作る事業者やトレーダーのことです。

マーケットメイカーの仕組み

マーケットメイカーは、現在値の少し下に買い注文、少し上に売り注文を常に並べます。誰かが成行で買えば売り注文が、売れば買い注文が約定し、その差であるスプレッドを少しずつ収益にします。在庫が偏ると価格がどちらかに動いたときに損をするため、注文価格を調整したり、先物でヘッジしたりしてリスクを管理します。

暗号資産取引所では、専門のマーケットメイカー企業が取引所やトークン発行体と契約して流動性を提供していることが多く、メイカー手数料の割引やリベートを受けている場合もあります。新規上場トークンの板が最初から厚いのは、こうした契約によることが少なくありません。

分散型取引所では、人が板に注文を出す代わりに、AMM(自動マーケットメイカー)と呼ばれる仕組みと流動性プールが同じ役割を担います。マーケットメイカーがいなくなると板が薄くなり、スプレッドが広がるため、個人トレーダーの取引コストにも直結します。

具体例

あるマーケットメイカーが、ETHに対して2,998 USDTで買い、3,002 USDTで売る注文を出しているとします。スプレッドは4 USDTです。同じ時間帯に1 ETHずつ買いと売りが約定すれば、手数料を除いて4 USDTの利益になります。これを1日500回繰り返すと2,000 USDTです。しかし買いだけが約定して在庫を10 ETH抱えた直後に価格が2,950 USDTまで下がれば、約480 USDTの評価損が出ます。

よくある失敗

  • マーケットメイカーは常に価格を一方向に操作している存在だと決めつける。
  • 急変時にもマーケットメイカーが板を支えてくれると考え、注文が一斉に引かれてスプレッドが広がる可能性を想定しない。
  • 取引所の「メイカー」とマーケットメイカー企業を同じものだと混同する。

よくある質問

マーケットメイカーはどうやって利益を出していますか?

主に買い値と売り値の差であるスプレッドと、取引所からのリベートで利益を得ます。在庫の価格変動で損をすることもあるため、ヘッジでリスクを抑えます。

個人でもマーケットメイカーになれますか?

指値注文を板に出せば個人もメイカーとして流動性を提供できます。ただし専業のマーケットメイカーは高速なシステムと大きな資金で運用しており、同じ条件ではありません。