ステーブルコイン

デペッグ(Depeg)

別名: ペッグ外れ · depeg

定義

デペッグとは、1ドルなど特定の価値に連動するよう設計されたステーブルコインやトークンの価格が、その目標値から大きく離れてしまう状態のことです。

デペッグの仕組み

ステーブルコインは、裏付け資産や償還の仕組み、裁定取引によって「1コイン=1ドル」付近に価格を保っています。これを「ペッグ(固定)」と呼びます。裏付け資産への不安、償還の停止、流動性の急減などが起きると、市場価格が0.99ドル、0.95ドルと目標から外れていきます。これがデペッグです。

数ミリ単位の小さなズレは日常的に起こり、裁定取引によってすぐ戻ることが多いです。問題になるのは、発行体の信用不安や担保の毀損など、仕組みそのものが揺らいだときです。ステーキング報酬付きのリキッドステーキングトークンでも、元の資産との価格差が広がることをデペッグと呼ぶことがあります。

取引所ごとに板の厚さが違うため、同じコインでも表示価格がわずかに異なります。デペッグ時は一部の取引所や分散型取引所(DEX)だけ大きく値崩れすることもあるので、複数の市場の価格を確認することが大切です。

具体例

あなたが10,000 USDCを保有していて、ある日、市場価格が0.97ドルまで下がったとします。このタイミングで慌てて売ると、受け取れるのは約9,700ドル相当で、300ドルの損失が確定します。一方で、発行体が1ドルでの償還を継続し、価格が数日で1.00ドルに戻れば、売らなかった人の評価額は10,000ドルに戻ります。逆に償還が止まれば戻らない可能性もあるため、価格だけでなく発行体の公式発表と償還状況を確認することが判断の材料になります。

よくある失敗

  • ステーブルコインは絶対に1ドルから動かないと思い込み、資産のすべてを1種類のステーブルコインに置いてしまう。
  • 0.999ドル程度の通常の小さな値動きをデペッグと勘違いし、手数料を払って何度も乗り換えてしまう。
  • 1つの取引所の価格だけを見て判断し、他の市場では価格が正常に戻っていることに気づかない。

学んで試す

よくある質問

デペッグしたステーブルコインは元に戻りますか?

裏付け資産が十分で償還が機能していれば、裁定取引によって戻ることが多いです。ただし担保が毀損していたり、仕組みが崩れていたりする場合は戻らないこともあります。

デペッグはなぜ起きるのですか?

主な原因は、裏付け資産への不安、償還の停止、大量の売り注文による流動性不足です。アルゴリズム型のステーブルコインは、需要が急減したときに特にデペッグしやすい構造です。